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人気パーソナリティの降板について考える

先日新年を迎えたなと思っていたら、早いもので今月もあと僅かになりました。
今週火曜にはついに積雪が残るほど雪が降り、今も屋根に白いものがあちらこちらで見ることができます。道路にもまだ陽当たりの悪い場所などに残雪が路面凍結と言う形で残っており、自転車に乗るのにも気を付けなければなりません。

今回は、ラジオ番組「小島慶子さんのキラ☆キラ」を小島慶子さんが降板されるという話についての私なりの考察を記事にしたいと思います。
そして、その考察に関連して、BSテレビ番組「本番前@控室#43」の話題にも触れたいと思います。

今週木曜日に久しぶりに何気なく聴いた午後のラジオ、「小島慶子さんのキラ☆キラ」の冒頭に入ってきた会話、何と小島慶子さんが降板されるという噂の真相についてに驚かされました。
スポーツ紙に掲載された推測での理由は子育ての関係と言うことでしたが、ご自身の口から事の顛末を丁寧に説明されました。
結論としては、局側が求めるニーズと小島慶子さんが語り掛けたい内容とに齟齬があり、小島さんの方から降板を局側に昨年暮れに申し出たとのこと。表向きの理由は、局のニーズは、40代・50代の自営業者向けの番組をということで、小島さんの放送内容がそのニーズに合っていないと。
つまり、TBSは午前中の「大沢悠里さんのゆうゆうワイド」、「荒川強啓さんのデイ・キャッチ」、若しくは週末の「永六輔さんの土曜ワイド」や「久米宏さんのラジオなんですけれど」みたいなものを求めており、小島さんの新たにリスナーを惹きつけた内容は求めていないと。

しかし、私はふと疑問を抱きました。
私は以前、この時間帯は、文化放送の「吉田照美さんのやる気満々」を聴いていました。リスナーと言うのは、聴くべきものを選びますが、比較的、選局は同じところを聴く傾向にあります。つまり、朝つけた局を比較的変更せずにずっと聴き続けるという傾向です。そんな中、小島慶子さんの放送は、この時間になったから、小島さんの放送を聴こうという目的を持って聴くことができる数少ない番組です。

先日、BS11の「本番前@控室」と言う番組(#43)に、ラジオの往年のパーソナリティの代表でもある笑福亭鶴光さん、齋藤安弘(通称「アンコー」)さんが、メイン司会の吉田照美さんとの鼎談番組に出ておられました。
お二人は、かつての聴取率ナンバーワン局のニッポン放送の一翼を担われた方々です。笑福亭鶴光さんと言えば、みな「鶴光でおまっ」「わんばんこ」「ええか、ええのんか、最高か」「乳頭の色は」など、数々の名言を残しておられる「オールナイトニッポン」土曜深夜のエースでした。私は、まさにこの番組の頃のリスナーでした。
高校の頃、往復はがきでサインをお願いしたことのある浜田朱里さんのファンだった私は、鶴光さんの番組でおっしゃられていた「歌わない浜田朱里」のまさにファンでした。
ニッポン放送では、ラジオドラマなど、当時は画期的な企画を良くやっていました。「宇宙戦艦ヤマト」をラジオでフルに流したのです。また、鶴光さんの番組ではアダルトな内容を生アフレコで放送しておりました。
当時は、日活ロマンポルノ、そしてロッポニカの全盛期。ポルノ界の聖子ちゃんだとか、百恵ちゃんが花形でした。
高校生の私は、そんな放送を聴きながら思春期を過ごしたものです。
男の子は、映像や写真で見るのも感じるものですが、字を読んだり、耳だけで想像して聴くのは、また格別に刺激を受けます。
そんな鶴光さんのオールナイトニッポンリスナーだった私には、まさに、吉田照美さんのやる気満々は、ツボだったのです。

さて、私はTBSの局の方が想定されている年代、40代の後半というより、もう50代が近い年代の年男なのですが、この世代は、はっきり言って、「ながら族」の世代です。「ながら族」とは、受験勉強をするのに、深夜放送を聴きながらしていた世代なのです。当時はまだ受験勉強が盛んで、共通一次試験など、今の「ゆとり教育」、「少子高齢化」とは対極の「つめこみ」「ベビーブーム」の頃でした。
2年半前に「7つの世代」と言うタイトルで、WBSでやっていた内容について記事を書いたことがあります。
それを引用します。

世代区分/生まれた年:年齢/人口規模/特徴/消費意欲
少子化世代
/1984~93年生:16~25歳/1,390万人/少子化の中で育ち、財布の数が多い(※1)/低い
バブル後世代
/1979~83年生:26~30歳/830万人/バブル崩壊後の不況期に成人/低い
団塊ジュニア
/1971~78年生:31~38歳/1,530万人/団塊世代の子供にあたりモノや情報が豊富な中で育つ/中
新人類
/1961~70年生:39~48歳/1,600万人/青春期にバブル体験。メディア消費世代/高い
断層世代
/1951~60年生:49~58歳/1,860万人/団塊と新人類にはさまれた元祖オタク世代、高度経済成長期に育つ。経済世代/高い
団塊世代
/1946~50年生:59~63歳/860万人/戦後復興と共に成長。政治世代/中
戦後世代
/1939~45年生:64~70歳/1,100万人/幼少期に終戦/高い

(※1)両親・祖父母の「6ポケット」を持つ

この区分で見ますとよく解る通り、TBS局上層部がターゲットとする世代は、断層世代、新人類、団塊ジュニアの世代です。
バブルも経験しましたし、まさに昭和世代の申し子、昨年は「地デジ化」が最大の話題だったテレビが白黒だった時代を知る年代のおそらく最後なのが、この世代です。

そんな私のツボにハマった久しぶりのものが「小島慶子さんのキラ☆キラ」だったのです。どんな番組でも、衰退の時期を迎えることがあります。いわゆる「まんねり」という言葉が示すものだったり、若しくはパーソナリティーの変更によるあの人じゃなきゃ面白くないやと言うものだったりします。

さて、少し話を戻します。
ラジオってのは、少しマイナーなメディアです。
昔は声だけしか知らないパーソナリティを想像しながら聴いたものです。声優みたいなものです。最近は声優さんも顔出しされる方、さらに「グレーゾーン」(所謂、同性愛者)までカミングアウトされる方までおられますが。

また少し反れてしまいましたが、戻します。
「本番前@控室」の鼎談で、番組編成の上層部に褒められないタイプという話が偶然されていました。
鶴光さんは、前回の「歴史秘話ヒストリア」のアニメの吹き替えにも登場されていましたが、「ええか、ええのんか・・・=つまり下ネタ話」のカリスマです。そんな鶴光さんが、番組に招かれた際に編成の方の第一声が、「良いですか、下ネタは禁止ですから」なのだそうで、これは何処に行ってもそうなのだそうです。

照美:下ネタでも思いっきり笑える下ネタは、それは一番大事にしなければいけないと思う。ただし、後味の悪いのはダメです。(力説)。
鶴光:女の子が(顔を)真っ赤になって下を向いたらアカン、女の子が眼を潤ませて膝を崩したら大丈夫や。(鶴光ジョーク)

鶴光さんが所謂エロのカリスマになった象徴的な台詞に「乳頭の色は?」という挨拶言葉がありました。挨拶言葉と書きましたのには、当時聴いていたリスナーならば解っていただけると思いますが、鶴光さんは、番組で電話に出た際に、男の人には「わんばんこ(「今晩わ」の意味で)」言い、女の子には、そのあとに「乳頭の色は?」と必ず訊いていたのです。それに対し、女の子は「ピンク!」などと答えたものなら、エコーを効かし「ええかぁ?、ええのんかぁ?、最高かぁ?」と言っていたのです。これが鶴光さんの常套句で、訊かれた女の子も本音とも冗談とも解らぬ見えないメディアならではの想像の世界が、リスナーもそれに答えた女の子にも楽しみを与えていたものです。

照美:(当時の鶴光さんの声色で)乳頭の色は?
鶴光:(真顔で)乳頭の色はたってあれかて乳頭温泉から思いついたよ。
照美:本当ですか?それじゃあ、乳頭温泉の立場がないじゃないですか。そこまで言われると。
鶴光:「おっぱい何色?」って訊いたら何かやらしくなる
照美:鶴光さんの言う「乳頭の色は?」を聴いてもいやらしく聴こえない。むしろ面白いところだけだし、「ええかぁ?ええのんかぁ?」って言うのは最高に好きです。
アンコー:そしたらね「ええのんか」って言うのにはちゃんと理由があるんです。ねっ。(鶴光さんの方を向く)
鶴光:リクルートのCMになったんですよ。その時は「君たちは今そんなことをしてもええのか?ええか?ええのんか?」と言う風に先方はとってくれはったんですよ。
照美:聴いた、それ(CM)聴いたことある。
鶴光:本当は違うんです…。
全員:はははは…
照美:だって、女の子に深呼吸しろとか言って、「はぁ~」とか(その子が)言うと、「ええかぁ?ええのんかぁ?」って、最高ですよね、アレ。

(中略)

鶴光:(ある日タクシーの運転手さんから)鶴光さん、昔、オールナイトニッポン聴いてましたよ、面白かったですな。ただ、お客さん乗ってきたら、消すんです。
照美:俺の昼バージョンもそうだったもん。必ずそう言われる。どうもね、お客さん乗せたらもうダメですよって。

この一件でも解る通り、潜在視聴率があっても、他人には言えないってのもあるようです。
世間では、震災以降、そして地デジ化以降、ラジオ人気が増えつつあるという話もありました。
つまり潜在リスナーが増え、需要は、事業主だけではなくなったのです。
なのに、今の数字を残しているパーソナリティーを変えて、ターゲットを絞る意味が本当にあるのでしょうか。
今回の降板騒ぎが起きたとき、上杉隆さんの一件が思い出されました。
震災後、危機意識をもって責任ある情報公開をするという視点でタブーと言われた内容を発表したことを、政府関係者から「風評被害」と揶揄され、スポンサーの関係から出ていたレギュラーコーナーを追われ、その一つが「小島慶子さんのキラ☆キラ」でした。
震災後の3月末に突然の降板発表の顛末が番組で話されたとき、小島慶子さんの何ともやるせない感じのトーンは聴いている側にも何となく伝わりました。

さて、今回の降板理由が本人の口から語られたとき、木曜日のパートナー、ピエール瀧さんが意味深な発言をされたのを感じられたでしょうか。それは、この場では言えないこともあるというような、ニュアンスの発言です。
そう考えあわせると、何となく、これらは無関係なことではないのかなと推察してしまいます。

TBSラジオは、これもちょうど今から2年前に「BATTLE TALK RADIO アクセス」を終了しています。
もちろん、これも視聴率調査では常に1位を獲得する人気番組でした。
夜の番組でもあり、大人が聴いて、そして参加できる番組として、そして、トークパーソナリティと言われるナビゲーターのアシスタント的な人にも宮崎哲也さんなど人気のある人が出ていました。
その彼も思えばある日突然露出が減りましたが。
これも偶然なことですが、小島慶子さんがナビゲーターを務めていた時期もありました。
この番組、何故、打ち切られたのか。
当時、このこともいろいろ憶測を呼んだことを覚えています。

こうして流れを追ってみますと、関連性が見えてきた気がします。
つまり、局はターゲットを一部の世代の事業主という名のリスナーに絞ったのではなく、局に影響力のある一部企業のスポンサーに配慮したのではないかと言うことが、想像されます。
キラーコンテンツを投げ捨てても、リスナーよりも、資金源泉であるスポンサーが何よりも大切と言うことです。
その対象スポンサーにとって、利害関係が合わない番組やパーソナリティのステージが追いやられるのは、何もテレビだけの事ではないということです。それはある意味、情報ソースとしての平等性がなく、信頼性も低くなると思われ、懸念されるべきことなのかも知れません。

さて、今週は日の入り時間が漸く午後5時を過ぎました。
4時台に日暮れて5時には真っ暗と言う冬と言う季節が、一寸ずつ近づいてきています。考えようによっては、花粉症の季節でもあるわけですが。

by sumomojam39 | 2012-01-28 09:41 | ラジオネタ