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長い渡り廊下

改正臓器移植法の法案が通りました。
この改正は結果的に実を伴うことのない、変な路線だけを定めたような気がする。
この内容で、移植を希望する家族が満足するのなら、言葉は適切ではないと解っているが、それに代わる言葉が見当たらないので、あえて安い決着のように感じた。

この内容ばかり今回で三度目になるが、死んでからの移植では使えない臓器の移植なのだから、法案を整備したかったはずだが、医学的にも倫理的にも、一方の死を早めることで、与えられる命の寿命は誰にも保証できない。
ことによると犠牲による移植が、貰った側の命を縮めることもある。

医療裁判、医療事故、人体実験、これらの境界を定めるルールを構築しないで、法律だけを改正して、二つの生命は、その価値を守れるのだろうか。
天寿を素直に受け入れ、移植は邪道となぜ言えないのか。

脳死で助からなくても、その家族は移植で脳を貰おうとは考えないのに、臓器を貰う側が、相手を死んだことにしてくれというのは、虫が良い理屈。
年齢制限をなくすのなら、小児科、産婦人科、そして地域医療をもっと充足させてからの話で、まったくの本末転倒論議。

この手打ちによって、海外に移植に出ることに対しての妨げ(足かせ)になることが見える。結果、資金集めさえできなくなり、より絶望的な状況に陥る。
でも天命ですから受け入れて行くのには、良い決着になるのかも。

by sumomojam39 | 2009-07-13 23:05 | 世間話